10年分の献血に思いを馳せる

今月で、献血を始めて10年が経つ。

 

きっかけは父親だった。
物心ついた頃から、父親はよく献血に行く人だった。地元のイオンに献血バスが来るというメールが届くたび、献血に行っていた。
そんな父親を見ていたからか、18歳の誕生日を迎えたあと、すぐに献血バスでの献血に挑戦した。

 

昔は本当に注射が嫌いだった。針先が見えると、怖くて怖くて仕方なかった。
入院していた頃の点滴も、予防接種も、逃げまくる。そして泣きまくっていた。
そんなわたしが、献血である。献血に、自らの足で赴くのだ。

 

初めての献血は、想像よりもスムーズに終わった。
確かに献血の針は太いけれど、そんなに苦手ではないかも、そのときに思った。


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大学に入学し、献血ルームの存在を知った。
仲良くなった友達が献血に行きたいと言い、ついて行ったのだ。
わたしはあいにくピアスを空けたばかりだったので献血には協力できなかったのだが、受付の方に献血推進のボランティアを教えていただいた。

 

この献血推進ボランティアとの出会いが、わたしの献血人生を変えたと言っても過言ではない。

 

そのボランティアは、その名の通り、献血を推進するものである。
皆さんも街中や学内などで、献血の呼びかけを見たことは無いだろうか? 
……それである。そのボランティアを、大学1回生の始めから4回生の卒業まで、じっくりどっぷり参加していた。

 

ボランティアに参加して、献血への向き合い方が変わった。
献血を必要としている方の想いを知り、どうにかそれを伝えたい。
特に献血者数が減っている、わたしたち若年層に届けたい。その一心だった。

 


成り行きのような感じで参加したボランティア活動だったが、4年間もハマったのは同じ意思で活動する仲間の存在があったからだと思う。

 

同じように献血推進活動をする団体が全国にあり、大抵は大学生だ。

大学2回生〜3回生の頃には、わたしも団体の中心メンバーとなっていた。


その頃に、中四国エリア内で同じ活動をしている仲間たちと、親睦を深める場が設けられた。

自分たちの団体がどのような活動をしているか、を発表するような会議などもあった。献血していただいた方への記念品などを、一緒に考えることもあった。
それら全てが新鮮で、非常に楽しかった。

 

 

今でも、当時同じ県内で一緒にボランティアをしていたメンバーよりも、中四国エリア会議で仲良くなったメンバーのほうが、仲良い気がするのは不思議なものである。

帰省して同窓会をするのは後者のほう。

ある意味、戦友のような意識があったのかもしれない。

 


……そんなバックグラウンドがあり、献血への想いは未だに強い。

そして今日、55回目の献血が終わった。
以前は成分献血もやっていたが、自分の体質や血管の細さから、いまは400ml献血のみでお願いしている。
自分の健康あってこその献血。無理はしない。

 

自分があの日一歩踏み出したことで、広がった世界。
これからも健康に気をつけて、献血を必要とする方へ少しでも助けになればと思い、献血を続けていく。